医師や看護師が自宅や施設に訪問し医療行為を行う訪問診療。同行している看護師がどのような仕事を行っているのか、イメージがつかない人も多いのではないでしょうか?今回は、訪問診療における看護師の仕事内容や、メリット・デメリットについて紹介します。
在宅分野について知りたい!
挑戦してみたいけれど、未知の領域で不安・・・
といった方は、今回の記事を参考にしていただけたらと思います!
就職先や転職先に迷っている人は参考にしてみてくださいね♪
訪問診療とは
訪問診療とは、通院が困難な患者さんや、自宅で療養を希望する患者さんに対し、医師や看護師が自宅や施設に訪問し、診療を行うことです。
定期的な診療を行い、患者さんの健康維持、症状悪化を予防し、病院ではなく住み慣れた自宅で、自分らしく生活することをサポートしています。
近年高齢化が進み、在宅医療のニーズも増加しているんですよ。
・がん、終末期
・神経難病、脳血管疾患、認知症
・心不全
・肺気腫、間質性肺炎
・在宅酸素(HOT)、人工呼吸器
・胃ろう、中心静脈栄養(IVH) など
このような患者さんがいます
仕事内容
訪問診療の看護師の主な仕事内容です。
- 患者さんの情報収集
- 診療の補助、記録
- 電話対応
- 多職種連携
- 薬や物品の発注・在庫管理
詳しくみていきます。
患者さんの情報収集
まずは訪問する患者さんの情報収集をします。
- 前回の訪問からの体調の変化
- 訪問時に使用する物品の有無(採血、点滴、注射、Br・胃管・胃ろう・気切交換など)
- 患者さんにお渡しする医療材料(点滴、注射、ガーゼ、吸引チューブなど)
朝はカンファレンスを行い、前日往診した患者さんや、重症・要注意患者さんについて、多職種で情報共有し、今後の方針などを話し合います。
- 往診:体調悪化等で予定外に緊急で訪問すること
- 荷物は前日に準備しておき、最終チェック程度
カンファレンスが終わったら、荷物を訪問車に積みます♪
診療の補助、記録
バイタル測定、採血、点滴、注射、Br交換、処置の介助(胃管・胃ろう・気切)、褥瘡処置など、患者さんに応じて行います。
医師が診察している間に、持参した医療材料を補充したり、書類の処理なども。
実施した処置や使用物品、持参した医療材料、今後の方針などを話し合った場合はACPの内容等を記録に残します。
電話対応
院内待機する看護師が主に電話対応を行います。
患者さん、家族、訪問看護、ケアマネ、薬剤師、リハビリ、ヘルパー、病院、市役所など、様々な人から相談や対応依頼の電話がかかってくるので、その都度対応していきます。
患者さんの体調が悪化している場合には、速やかに医師に往診または救急搬送の相談をします。
多職種連携
患者さんの状態悪化や指示変更など、必要あれば家族、ケアマネ、訪問看護などの関係各所に情報共有します。
在宅で過ごす患者さんは、訪問診療だけではなく色々な人に支えられて生活しています。そのため情報共有はとっても大切な仕事です。
また、病院から在宅へ移行するときの退院前カンファレンスの参加や、ケアプランの作成・変更時などに行われる担当者会議の参加をするときもあります。
薬や物品の発注・在庫管理
訪問を終えて戻ってきたら、翌日訪問する患者さんの物品準備を行います。
配備している薬や物品などの発注や在庫管理も、訪問時に間に合うように準備が必要なため大切な仕事です。
盛りだくさんですね!
訪問診療の看護師のメリット
在宅分野に詳しくなれる
病院だと、退院支援看護師やMSWが主に退院に関する調整をしてくれるため、退院前カンファレンスがあれば、そこで関わるだけだと思います。
訪問診療の看護師になると、患者さんが退院してから、どのような環境で生活をしていて、どのようなサポートを受けながら暮らしているのか、患者さんの性格や価値観もよく分かります。
病院で働いているときには見えなかった部分が分かることで、看護師としての視野が広がりますし、病院勤務に戻ってからも経験を活かすことができます。
人生を共に歩むように関わることができる
訪問診療の中には、在宅看取りまで行う病院もあります。
どのような生活を送りたいか、治療をどこまで行うか、緩和ケアをどう提供するか、患者さんや家族の気持ちに寄り添って方針を決めていくため、人生を共に歩むパートナーのような役割を担います。
様々な疾患を学ぶことができる
通院困難な患者さんが訪問診療の対象となるため、様々な疾患を持つ患者さんと出会います。
医師に同行しているため、診療を間近で見ることができ、分からないことがあればすぐに質問できる環境はとても恵まれているといえます。
訪問診療の看護師のデメリット
急な往診などで多忙になる日がある
訪問診療は、計画に基づき月1~2回の訪問が行われています。
1日では午前と午後にそれぞれ4~5件程度の訪問がありますが、患者さんの状態が悪化したときは緊急で往診が必要なため、残業となることもあります。
オンコールがある
24時間365日診療しているクリニックの場合、オンコール対応を任せられることがあります。
こちらは病院次第のため、オンコールを希望しない場合はしっかりと条件を確認することが必要です。
まとめ
病院を退院したあと、どのような生活を送っているのか、気になったことはありませんか?病院とは違って、在宅医療は生活がベースとしてあり、その中に医療があります。
病院とはまた違った大変さもありますが、患者さん一人ひとりと向き合い、しっかり関わることができますし、奥が深く、面白いですよ!
興味がある人は、是非在宅分野も検討してみてくださいね♪
最後まで読んでいただきありがとうございました!